介護職員処遇改善加算
介護職員の給料は年々上がっている!?
介護職は給料が低いと思っている人も多いことでしょう。ですが、介護職の給料は年々アップしています。厚生労働省の平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイントによると、平成24年の月給は約27万円でしたが平成28年には29万円と4年間で月額約2万円もアップしており、徐々に改善されつつあることが分かりますが、この給料アップを実現しているのが「介護職員処遇改善加算」制度です。
「介護職員処遇改善加算」って?
介護職員処遇改善加算とは、介護の現場で働く職員のためにキャリアアップ制度の仕組みを作ったり職場環境の改善を行った施設や事業所に職員の賃金を上げるためにお金を支給したりなど、介護職員の処遇改善を図るために改定されたものです。
高齢化が進む日本は2025年には後期高齢者の急増が見込まれていますが、その時に約38万人の職員が不足するといわれています。介護職員の人手不足を解決するためには介護職を目指す人だけでなく、今働いている人の定着率を上げることも必要不可欠です。そのために国は介護職員の給料アップとやりがいの持てる職場作りを促進するためにこの制度を作ったのです。
給料が上がる仕組みは?
介護職員処遇改善加算は自治体から「職員のために頑張っている施設・事業所」だと認定されなければ、給料の上乗せ費用は支給されません。そのためにまずは、介護施設や事業所が職員のキャリアアップの仕組みと職場環境の改善計画を立てます。次にその計画を都道府県や市町村などの自治体に報告し、自治体がその報告に基づいて介護報酬に給料の上乗せ費用を追加するかどうか決めて支給し、その支給されたお金が職員の給料として支給され、給料アップになるのです。
介護職員処遇改善加算で取得した「給料上乗せ費用」はきっちり職員に賃金として還元することが義務付けられているため、介護施設や事業所は自治体に実績報告書を提出しなければならず、不正ができない仕組みになっています。
普及率は?
介護職員処遇改善加算は全国約8,000の介護施設や事業所のうち90%が取得済み、という結果が出ています。つまり、ほとんどの介護施設や事業所がこの制度を受けており、現在働いている職員のほとんどがこの制度の恩恵を受けて給料がアップしています。
制度の対象者は?
この制度は正社員だけでなくパートや派遣も対象となるため、非常勤勤務でも給料がアップしている人もいます。しかし、「介護職員処遇改善加算」によって賃金が改善されるため対象となるのは「介護職員のみ」です。看護師や事務員、調理師はこれに含まれません。また、支給の対象職員やどれだけ支給するのかは施設側に任されているため、給料が増えるかどうかは施設側次第になります。
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